コラーゲンの医療への期待

コラーゲンの医療への期待

床ずれの改善

超高齢化社会、と呼ばれる現代の日本で問題になっているのが、「褥瘡(床ずれ)」です。これは寝たきりなどによって、「皮膚の細胞に酸素や栄養素を届けられなくなる」ために起こります。

臨床試験では、コラーゲンペプチドを1日10g、16週にわたり摂取することで、コラーゲンペプチドを食べていない群よりも傷の大きさと進行をスコア化した指標で大きく改善が見られ、傷の面積も小さくなることがわかりました。

これは、コラーゲンペプチドによって皮膚再生に関わる酵素が増加し、「ヒアルロン酸やコラーゲンを産生する」線維芽細胞を活性化することで、皮膚の再生を促進すると考えられています。

歯周病にも期待

マウスの実験で、コラーゲンペプチドを3週間与えたところ、歯の土台となる歯槽骨を含む顎の骨を保護する作用が認められました。これは、骨の代謝と同じメカニズムが顎の骨にも当てはまることを意味しています。

これにより、歯茎が強くなるだけでなく、土台を整えることでインプラントなどの処置ができるようになる、と考えられています。

メタボ(高血圧、高血糖)の改善

コラーゲンは血管をつくる主な成分の一つですので、コラーゲンペプチドを摂取することで細胞がコラーゲンを作り出す力が高まり、「しなやかな血管を取り戻せる」のではないかと考えられています。

硬くなった血管を血液が無理に通ろうとして圧が高まるのが高血圧の基本的なメカニズム。それを根本から解決できる可能性があります。
また、ゴマペプチド、大豆ペプチドといった各種ペプチドに、血圧上昇に関わる酵素の働きを阻害するという作用があることがわかっており、コラーゲンペプチドにも同様の作用が確認されています。

また高血糖については、マウスの実験でコラーゲンペプチドを与えることで「血糖値の上昇を抑える」作用が確認されています。そのほか、海外では臨床試験で、Ⅱ型糖尿病の患者さんがコラーゲンペプチドの摂取により、顕著に血糖値や拡張期血圧の低下が見られたという報告があります。詳しいメカニズムはわかっていませんが、現在国内外で研究が進められています。

「再生医療」で人類の夢をつなぐ

再生医療とは病気や怪我などで失われた組織・臓器の再生や、機能の回復を目的とする医療です。もともとカラダに存在するコラーゲンは、拒絶反応の心配がほとんどないため、再生医療に適した素材(バイオマテリアル)として注目されています。

人工皮膚や人工骨だけでなく、血管や角膜などさまざまな組織の再生医療に対し、コラーゲン、ゼラチン、コラーゲンペプチドの利用が広く期待され、技術開発が進められています。このほかにも、人工細胞外マトリックスや、医療品のドラッグ・デリバリー・システムへの応用が実用化に向けて研究されています。今や現代医療の発展にとって欠かせない存在なのです。

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